6月28日、アメリカ主導のイラク占領機関である連合国暫定当局(CPA)からイラク暫定政府へ主権が移譲されました。「主権移譲」は当初の予定を2日間前倒しして行われ、出席者はわずか6人、5分間のセレモニーであったと報道されました。暫定政府のヤワル大統領は「歴史的な日」と述べましたが、果たしてそうでしょうか。
「主権移譲」により暫定政府は一応「主権」国家の政府として扱われることになります。
政府は、その日の夜の持ち回り閣議で、暫定政府をイラクの正当な政権として承認しました。
多国籍軍の指揮権は実質アメリカ
イラクに滞在する外国軍は、今後多国籍軍となります。最大の問題点は、イラク国民や抵抗勢力への残虐な弾圧や武力攻撃をつづけている13万8千人の米軍が、その中核として居座るつづけることです。パウエル国務長官や多国籍軍のケーシー司令官も反政府勢力への武力攻撃は続けると述べています。実際、主権移譲後もイラク各地で米軍の攻撃と抵抗勢力の警察や暫定政府要人を標的とした爆弾攻撃が相次いでいます。
治安回復に有効な手だてをとれない暫定政府に対し、国民の不満が高まっていると伝えられています。
自衛隊の多国籍軍への参加は、明らかな憲法違反
小泉首相は、先のサミットで訪米した際、国会にも国民にも相談していないのに、「日本は多国籍軍に参加します」といち早く約束し、大問題になりました。
政府はこれまで「目的・任務が武力行使を伴うものであれば多国籍軍に参加することは憲法上許されない」としてきました。小泉首相は「多国籍軍に参加しても全体の指揮下には入らない。日本が指揮する。このことは米英政府も了解している。“担保”をとっている」と言い逃れています。しかし国会で誰が“了解”したのか、その文書提出を求められましたが、まともな答えはできませんでした。
アメリカのいうことなら国会も国民も平気で無視する、憲法も踏みにじる、こんなアメリカ言いなりを終わりにしなければなりません。
次から次へと“対米従属”
先の国会では、有事関連7法案が自民・公明・民主の賛成で強行成立しました。ご承知のように、アメリカが各地で起こす戦争に自衛隊はもちろん、自治体・公共施設、民間施設、国民まで動員させられることを可能にするものです。
そして米軍基地の再編成にあわせて、沖縄の米海兵隊の一部を矢臼別に移転・常駐させる動きが急になっています。
いま大事なのは東アジアの平和
いま世界では侵略と干渉のアメリカの一国支配に批判が集中し、アメリカは孤立しています。イラク攻撃を支持した国は世界191カ国中49カ国、アジア・中東では39カ国中7カ国でした。東南アジア条約機構(ASEAN)の非核・平和の流れは国際的に注目されています。いま日本が対米従属ではなく、平和・中立・非同盟の立場に立つなら、日・中・韓・朝を含む東アジアの平和、国際平和に大きな役割を果たすことができるのではないでしょうか。
いま行われている参院選で、自民・公明は改憲、民主は“創憲”といっています。どちらも9条を含めた憲法改定です。アメリカの意をくんだこれら一連の動きに、参院選で歯止めをかけられるか否か、国民の見識が問われているのではないでしょうか。 道AALAはことしで創立40周年、先の第36回総会で決めたように、“多国籍軍への参加反対”“憲法改悪を許すな”の運動をいっそう強めたいと考えています。 (伊藤 悳夫)