危険極まりない「悪の枢軸」=対テロ戦争拡大政策
アメリカのブッシュ大統領が、1月29日の一般教書演説で、テロリストを支援し大量破壊兵器を開発しているとして、
北朝鮮、イラク、イランを名指しで「悪の枢軸」と決めつけて反テロ戦争の拡大を宣言した。またこれまでの軍事報復
に関しても「多くのテロリストをとらえ、アフガニスタンを解放した」と述べる一方、まだテロリストは世界中にいるとして
「戦争はまだはじまったばかりである」と強調している。
名指しされた三国と世界各国からきびしい非難と憂慮の声があがっている。イランのハタミ大統領は「干渉、戦争挑発、 侮辱の発言であり、とりわけイラン国民への公然たる侮辱である」とはげしく非難。またイラクの国営紙アル・イラクは 米国を「地球の唯一の悪魔」と呼び、北朝鮮の外務省報道官は「事実上の戦争宣言だ」と非難した。中国外務省の報 道官は「われわれは国際問題でこのような言葉の主張しない」と述べ、すべての国が国連憲章などにもとづいて平等 に扱われるべきだと強調した。フランス、ドイツ、イタリア、ロシアもそれそれの立場からはんたいしている。
しかしその中で、ひとりブッシュ大統領を支持しているのが、小泉首相である。18日の日米首脳会談で、「『悪の枢軸』 発言は、テロ対策についてはあらゆる手段を辞さないで立ち向かうという決意の表明だ」として、この戦争拡大政策へ の無条件の支持を表明した。ブッシュ大統領は、小泉首相を「誠実な友人」ともちあげ、同盟関係を強調し、さらなる 戦争支援を求めた。わが国は、ブッシュ政権への批判が各国に広がり、アメリカの孤立が深まる中で、特異な危険な 役割を担おうというものだ。そして今国会に有事法制を提案し、強行しようとしている。アジアの平和と安定にとってこ れほど危険で無責任な選択はない。
私たちは、日米首脳のこの立場に強く反対する。どこの国であれ、特定の国の内部問題が気にくわないから勝手に
判断し軍事攻撃することは国際社会がきびしく禁止している。それは国連憲章や国際法に違反する無法行為であり、
そんな行動にでる権利はどこにもないと考える。
(伊藤 悳夫)

2月20日、ブッシュ米大統領は、軍事境界線付近の視察で、北朝鮮を”悪”と表現した。
写真は、米将校の説明を受ける同大統領(2002年ロイター/Larry Downing)